ワークバランス講演会

第59回日本小児外科学会学術集会
ワークライフバランス検討委員会主催 第11回講演会
「ハラスメントのない職場環境づくり」

*講演スライドは「会員向けコンテンツ」 → 「委員会からのお知らせ」 → 「ワークライフバランス検討委員会」より閲覧ください。

講師 株式会社wiwiw 代表取締役会長 山極清子氏  
日時 2022年5月20日 17時40分~19時40分
会場 虎ノ門ヒルズフォーラム 第1会場(5Fメインホール)
座長 浮山超史先生 東間未来先生              
 
参加者 80名

「ハラスメントに関するアンケート調査」によって浮き彫りとなった当学会員が抱えるハラスメントの現状を受けて,「職場におけるハラスメントと防止策」と「女性医師の活躍を阻む8つの課題と解決策」について山極先生に講演していただき,最後に質疑応答を行った.

第1部 日本小児外科学会による「ハラスメントに関するアンケート」結果の発表と分析(45分)

ワークライフバランス検討委員会 委員長 東間未来先生

 小児外科学会の会員数は2015年以降漸減傾向で,女性会員数は微増しているが2割に満たない状況である.WLB検討委員会が設置されてから10年経過したが,その間に男女ともに働きやすい環境になっているのか,実態を調査することとなった. 2021年11月24日~12月31日の期間に,日本小児外科学会メーリングリストに登録されている2036人を対象に,インターネットアンケート形式を用いた,「ハラスメント」に関する意識調査・実態調査を実施した.
 アンケート回答率は13.9%(全回答 284人)で,年代は30代,40代,50代以上がそれぞれ約30%を占め,性別は男性が全体の約3/4,女性が1/4であった.
 具体的な行為について13項目(いずれも厚労省によりハラスメントと定義されている行為)を提示し,これらについて実際にしたりされたり,見聞きしたことの有無を確認したところ,それぞれの行為について実際に経験があるという回答を多数認めた.その行為者は上司や幹部,先輩などが多かった.性別と年代で回答が分かれた設問が1つだけあり,「人前での感情的な叱責」については,女性はハラスメントと感じる人が多い傾向があるのに対し,男性は世代が上がるほどハラスメントと感じないという傾向があった.
 ハラスメント行為を受けた際の相談窓口については,65%であるという回答であったのに対し,ハラスメント行為を受けたことがある人で,相談窓口に相談せずに我慢をしたという割合が7割であり,実際には相談した人は少ないという結果であった.
 職場環境について具体例を含む様々な意見があり,多くのハラスメント行為が存在していることが明らかになった(スライド14,15).
 小児外科医を辞めたいと思ったことがあるのは約半数で,男女差はなかった.辞めたい理由として,WLBが悪い,職場環境が悪いという意見が50%近くあった.また周囲で小児外科医を辞めた人の有無について,9割で辞めた人がいるという結果であった.辞めた理由としては人間関係・パワハラが一番多く,次に目的の喪失(バーンアウト),WLB不良,給料と仕事内容のアンバランスなどが続いた.
 日常診療や立場において,性別による格差や差別があると感じるかどうかについては,なぜか半数以上が無回答で,あり・なしは同程度であった.性差による差別がないと感じる人の意見は,女性が出産・育児で時間的制約が生じ,そのため経験値が少なくなるのは仕方がないという考えに集約された.逆に性差による差別があると感じる人からは,多数の具体例があげられた.また,性差によらない格差や差別についても多数の具体例が挙げられた(スライド30,31).
 これらのアンケート結果から,現在の小児外科医の働く環境は,ハラスメント行為が存在するにもかかわらず,声に出しにくい環境であることが明らかになった.そしてこれは日本社会の普遍的な問題ととらえることができるという自由意見や,解決策としていくつかの提案も示された(スライド33,34).
 これらを踏まえ,小児外科学会における課題と解決策について山極先生に提案いただきたく,講演を依頼するにいたった.

第2部 山極清子氏 講演(60分)
「ハラスメントのアンケート調査結果から見えてきた8つの課題と解決への道筋~女性小児外科医師のキャリア形成とさらなる活躍に向けて~」

ワークライフバランス検討委員会 委員長 東間未来先生

山極清子氏山極清子氏 プロフィール  
株式会社wiwiw(ウィウィ)会長
株式会社資生堂から1995~97年に21世紀職業財団両立支援部事業課長として派遣されたことを機に、復職後の1997~2009年まで資生堂本社人事部、経営改革室、CSR部の各次長などに就いて、女性活躍支援、男女共同参画の推進、仕事と育児・介護との両立支援および働き方改革などのワーク・ライフ・バランスに取り組む。              
 
 
 
第1部で職場におけるハラスメントについてと,企業で成果をあげているハラスメント防止策について説明していただき,第2部で女性医師の活躍を阻む8つの課題と解決策について提案していただくという二部構成となっている.「もともと数の少ない女性医師が課題を抱えていて,それを克服すればきっとキャリア形成ができ,そうすると男性医師も働きやすくなる.男女共通課題と考えてもらい,共有させていただければ」との言葉で講演が開始された.
 

第1部 職場におけるハラスメントと防止策

 厚生労働省が出しているパワハラの3つの定義,3つの要素とは,「優越的な関係を背景とした言動」「業務上必要かつ相当な範囲を超えている」「身体的若しくは精神的な苦痛を与えることまたは就業環境を害すること」である.職場でおこる可能性のあるハラスメントには様々な種類がある(スライド40).
 小児外科学会のハラスメントに関するアンケート調査結果の具体例について,どのような行為がパワハラに該当するか,パワハラ6類型に分類した(スライド41-43).

 事業主の責務として以下の3つの事項に努めることが法律上明確化された.①職場におけるハラスメント問題に対する労働者の関心と理解を深める事,②その雇用する労働者が他の労働者に対する言動に必要な注意を払うよう研修を実施する等,必要な配慮を行うこと,③事業主自身がハラスメント問題に関する関心と理解を深め、労働者に対する言動に必要な注意を払うこと.
 次に労働者の責務として,以下の2つの事項に努める事が法律上明確化された.①ハラスメント問題に関する関心と理解を深め,他の労働者に対する言動に注意を払うこと.(まさに今日はその一歩であります.)②事業主の講ずる雇用管理上の措置に協力すること.研修などを受けることがこれに該当する.
 2020年6月より職場におけるハラスメント防止対策が強化され,事業主の責務が法律上明確化された.病院関係者の管理者はこれが義務となり,対策を行わないと罰せられるようになった.

職場におけるパワハラ防止のため講ずべき装置(義務)
 ・事業主のパワハラ防止の方針等の明確化及びその周知・啓発
 ・相談に応じ,適切に対応するために必要な体制の整備(相談窓口を定め,労働者に周知)
 ・相談窓口には男女どちらも含む複数名の窓口対応者をおき,適切に対応できるようにする
 ・事実関係を迅速かつ正確に確認すること
 ・速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと
 ・事実関係確認の後、行為者に対する措置を適正に行うこと
 ・再発防止にむけた 措置を講ずること
 ・そのほか,相談者,行為者のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ,周知する
 ・相談したことを理由に解雇その他不利益取り扱いをされない旨を定め、周知・啓発する
ハラスメント発見時の対応のポイント
 ・急ごしらえの拙速な対応に終始しない(放置しないこと)
 ・被害者の要望を具体的によく聴き取ること
 ・加害者への配慮,情報管理/プライバシーに注意
 ・他の加害者,被害者の存在や黙殺行為の有無を確認
 ・当事者の言い分への食い違いへの対策
  →内部調査だけには限界あり.弁護士や調査委員会による調査・インタビューなどが必要
ハラスメントで被害者が受ける8つのリスクと損失/加害者が受ける3つのリスクと損失
  (スライド52-54)
ハラスメントを防止するためにできること(最低限のこと)
  ・ハラスメントについて正しく理解する(ハラスメント防止研修等,全職員)
  ・現場からの定期的なヒアリングをする.小さな芽のうちにリスクを積む
  ・通報体制の整備と使いやすさの確保,周知をする
 

第2部 女性医師の活躍を阻む8つの課題と解決策

 ジェンダー・ダイバーシティ・マネジメントとワーク・ライフ・バランスの重なり合う中に働き方改革が存在している.課題のウェイトが多くなるほど〇の大きさが大きく示されている(スライド58).ジェンダー・ダイバーシティの中には組織・上司がとても大きく占められており,次に問題となるのは長時間労働,3つ目に影響力のあるのは組織と職場風土の問題である.4つ目は仕事と育児の両立支援が不十分であること,5つ目は家庭内のジェンダー不平等が問題だということ.6つ目は柔軟な働き方の未整備で,7番目は社会・政治・法律・制度・教育の問題ということ.8つ目は女性医師そのものだが,様々な環境のなかで当事者のウェイトは小さいということを表している.

課題①:組織・上司 組織・上司はコンプライアンスへの対策が十分ではない.
 ・管理職に占める女性医師比率が圧倒的に低く,企業よりも低い(大学病院主任部長や医学部主任教授における女性の比率は2.7%)
 ・組織における権限と男女の数がジェンダー意識を規定する大きな要因であり,女性管理職が30%以上に達しないと,女性管理者は特別な存在として扱われ,限定的で象徴的な役割しか与えられないことになる(カンター教授の理論)
 ・日本の女性医師の割合は20.4%でOECD加盟国の中で最下位
 ・根強い性別に関するアンコンシャス・バイアス(男性は仕事,女性は家庭)の払拭が必要.
  アンコンシャス・バイアスのため,働く女性に対する理解がなく,働く女性に対して高圧的な態度や考えの押し付けが起こり,これが過ぎるとパワハラ・セクハラとなり,女性が高い職位につきにくい環境となるという負のスパイラルに陥っている.本人の問題ではなく構造の問題である.アンコンシャス・バイアスがなくなり自身の偏見に気づくと,正のスパイラルとなり,考え方が変わり,行動が変わり,女性が活躍する環境が整う.
課題②:長時間労働
 非常に過酷な状況でこれ自体が問題.4割の医師が過労死ラインで,疲れてしまうと,人のことを思うようになれない.また医師の仕事外にある周辺の雑務が多く,おかれた環境の問題がある.医師個人は勤務や労働に関して法を学ぶ機会が少なく,十分な理解がないというのも課題.
課題③:男性中心の組織・職場風土
 男性医師は勤務優先が当然という既成概念が強く,男性医師が早く帰りにくく,育児休業をとりにくい職場風土
課題④:仕事と育児との両立
 ・「女性は育児」という固定的性別役割分担意識の存在
 ・両立支援制度の未整備と,制度があっても利用しにくい,できない
 ・職場で上司や同僚の理解が得にくく,相談できる人が少ない(女性の上司が少ない)
課題⑤:家庭内ジェンダー不平等
 ・パートナー・親が女性のキャリア形成に無理解
  「自分のキャリアより家庭を優先してくれないか」「勉強に時間を使うよりも子どもの面倒をみてくれないか」「ウチの息子に家事・育児をさせるなんて」「母親なんだから家庭を第一に考えて」ということは,いまだに結構存在する.
課題⑥:柔軟な働き方未整備 
 ・短時間勤務やフレックスタイム,交替勤務制や複数主治医性ができない
 ・未整備なだけでなく,制度があっても利用できる状況ではない
課題⑦:社会,政治,法律,制度,教育
 ・「女性は子供が大きくなったら再び職業を持つ方がよい」という古い意識が未だに男女ともに2割を占める(海外では子どもがいてもずっと働き続ける事が当たり前)
 ・日本のジェンダーギャップ指数は世界で120位,G7で最下位(政治分野と経済分野で低い)
 ・長時間労働に対する規制が日本は緩やか(長時間労働の実効性の高い規制があるEU)
課題⑧:当事者である女性医師
 ・マミートラック 
  →責任ある仕事を任せてもらえないことが続くことで働く意欲の低下,キャリア形成にとって重要な時期(20代後半~30代前半)に離職する
 ・女性医師の離職・休職の理由第一位は出産,二位に子育て
 ・女性医師の悩みの第一が家事と仕事の両立

これら8つの課題と解決策~女性小児外科医師のキャリア形成と活躍に向けて~
 8つの課題をそれぞれ変えていけば良い.そのためにはジェンダー・ダイバーシティとワーク・ライフ・バランスとを同時に推進することが重要
 課題①②:過酷な勤務状況
  →経営層のコミットメントと組織をあげての働き方改革,ジョブ型雇用の導入
 課題①⑦:医師の勤務・労働に関して法への充分な理解が無く,法の保護を受けられていない
  →管理職もその他労働者も定期的な法律の勉強会が必要
 課題⑤⑧:マミートラック
  →家庭内ジェンダー平等,固定的役割分担意識の解消,アンコンシャス・バイアスへの気づきとトレーニングの研修
 課題④⑥⑦⑧:院内保育や様々な良い区サービス利用に対する補助及び学童保育の充実
  →医師会,学会等から政府に改善要請,財政投入
 課題③⑦:医師全体の勤務環境の改善
  →医師会等から政府に改善要請,財政投入
 課題①③⑥⑦:方針決定に関わる立場や指導的立場に女性医師が少ない
  →経営層・管理職層の意識・行動改革
  →管理職研修やメンター制度の導入などの女性管理職の計画的な育成
 メンター制度について最近はオンラインでもできるので,定期的に相談することにより離職を防げる効果がある.

 やはり管理職が鍵となる.wiwiwでは管理職のマネジメント支援やアンコンシャス・バイアス理解促進を行っている.管理職により女性のキャリアが決まってしまわないよう,マネジメントレベルの底上げをし,女性特有のマインドやライフイベントの課題を認識したうえで,適切なマネジメントができるようにしている.オンラインで学習でき,最後に簡単なテストで確認もできる.またアンコンシャス・バイアスについては種類や自分の傾向や対処方法を学ぶことができる.
 男性育休取得支援は「周囲に迷惑がかかるので制度を使いにくい」という意識から「お互い様」の意識に変え,法改正のポイントなども30分で学べるように解説している.また,仕事と育児の両立支援については,管理職用と育児休業者向けのそれぞれのマニュアルをハンドブックにして利用してもらっている.
 女性管理職の育成には,ロールモデルがいなくても自分で描く管理職像を目指せるように,研修プログラムを作成している.今は勉強しないと管理職になれない時代となっている.メンター制度の導入支援のために研修を行っている.
 ハラスメント対策研修も全従業員対象にeラーニング講座を設けている.講座の特徴は「まず気づく」,そして「学び」「実践」してもらうようにできている.オープンバッジで証明書の発行もしている(日本ではまだ4団体のみ).
 参考として,企業が実施しているハラスメント対策の具体的な割合について,上司と部下の定期的な面談は29%、管理職を対象にした研修は28.5%、ストレスチェックの導入やメンタルヘルスチェックの導入もハラスメントと関わってくる.また女性向けのキャリア研修をしているかということも,ハラスメント対策として導入することが重要とされている.
企業では当たり前に行っている対策が,小児外科学会だけでなく医療界全体ではまだまだ少ないと思っている.今回、ハラスメントと対策についてご紹介してきたが,皆様にとってよい環境を作っていただく機会になればと思っている.

 

第3部 質疑応答(15分)

Q: ハラスメント早期発見のためのシステムがあるのか,どうしたら早期発見できるのか
A: 身近に相談窓口を設置すること,窓口の担当者が正しく教育を受けていることが必要.また,全員がハラスメントに対して同じレベルまで勉強・理解して,相談窓口をいくつも作って明らかなハラスメントを認識することが重要.第三者委員会を作り,それが機能するようにすることも重要である.
Q: 相談者は同じ企業内の方がいいのか、それとも第三者のほうがいいのか
A: 両者がある.専門のコンサルティングの先生方を雇ったり,企業内に研修を受けたコードリーダーをつくり,その人達のところに相談できるようにしたり.また弁護士にも相談できるなど,たくさんの窓口が必要である.社内にも,社外にもたくさん設けることが必要.

 

Q: 相談窓口の担当者が病院の管理職であったりすると,相談しにくいということがあるが,第三者の相談窓口を設置している病院は少ないと思う.どうしたら良いのだろうか.
A: 準備していないこと自体が法律違反になるので,(対策をしないと)法律違反であること,相談窓口が必要であることを,もっと権限のある方に知ってもらう必要がある.相談窓口担当が内部では相談しにくいと思うので,外部の専門家がいい.オンラインでも電話でも相談できるので,そちらの方が気楽に相談できる.いくらでも紹介することができる.あるいは職員でも相談員の研修を受け,プロになった方に相談員になってもらうという方法がある.
Q: 無料の相談所はあるのか?
A: 無料はおすすめできない.有料のほうがよい.ちゃんと対応するためにはそれなりのお金はかかる.高い安いの値段の違いはあると思うが.

 

Q: 具体的な対応について.ハラスメントを第三者としてみていて,ハラスメントだと感じた時に相談窓口に相談することは適当なのか?
A: そういう場合もある.そのまま対応しなければ繰り返しになってしまう.第三者が加害者側と親しいのか,被害者側と親しいのかで問題になるので,やはり第三者機関で客観的に判断するということが大事になる.相談する窓口があることが重要で,信頼できる相談窓口を設置すること,だれもがすぐに相談できるよう,それが周知されていることもすごく重要.

 

Q: 被害者側にも問題があり,双方の意見をきいても解決できない場合は?
A: かならず双方の意見を充分に聞くことと,そして周囲の意見も充分に聞く必要がある.
Q: 解決策として双方を分離した方がいいのか?(職場をかえるなど)
A: まず被害者の希望を聞くことが大切.一方的に話すのではなく希望を聞いたうえで対応する.加害者が謝罪すれば,異動などは希望しないという場合もある.本人同士だけでなく,周辺など客観的な意見を聞く必要がある.

 

Q: 女性については応援して、働いてほしいと思っているが、外科医は(30代などに)技術などをたくさん経験する必要がある.そのためには周りの理解だけでなく,本人の強い意志,覚悟も必要だと思っている.まわりがサポートすると言っても,本人が覚悟できないことがある.社会の問題があると思うが,頑張るとなかなか思えない人が多い.どうやったら,女性も,男性もかわっていけるのか?
A: けっして困難なことではない.まずアンコンシャス・バイアスをなくすこと.
Q: それは皆わかっているが,なかなかできない.女性がそれを決断してそれを皆に言って,周りが協力しなければならないが,(女性が)宣言できない.
A: 女性がひとりで負うのではなく,ベビ-シッターなど様々な制度や商品を使っていくことや,さらに地域の人と交流したりなどもあると思う.そして社会がもっとお金をかけていく必要もある(待機児童もまだ多い).
また男性管理職に,家事・育児に参加している割合を聞く.だいたい男性3割,女性7割.もっと参加するようにすすめる.男性医師でも,自分はもっと育児などしたいと思っていても,上司がまだいると,言い出せない,帰りにくいなどがあるので,管理職が部下に,育児などにもっと参加するように言う.管理職自らが,教育・研修をして,そういうことが当然だと理解し,それを男性の部下に指導していけば変わっていく.すぐにはむりでもそういう人が増えていけば,それが自然になっていくのではないか.

 

Q: 例えば,つわりなどでつらそうに見えても,本人が働きたい思っているときなどはどのような対応がしたら良いのか.病欠などを使ってやすむことを勧めたらいいのか.
A: 本人の希望を聞くことが大切.また,休みたいなど,言いやすい環境・雰囲気をつくることが大切.

 

Q: 今後女性管理職も増えていけば,ハラスメントは減ると思うか?それとも男性女性だからではなく,上司も部下も研修を受けて,研修が重要と思うか?
A: 女性管理職の割合が増えれば,カンター教授の理論でいえば居心地はよくなるが,ハラスメントが減るわけではない.性別は関係ない.ハラスメントについての勉強は常に必要で,時代とともに常に変わっていくので,継続的に勉強し続けることが必要.
Q: そういうこと(ハラスメント)をする人は上司にしないとか
A: 教育で変わるので,その人本人が悪いというわけではない.疲れ切っていたり忙しすぎたりするとどうしてもそういうふう(ハラスメント)になってしまうので.環境そのものがどうか,が大事で,個人を責めるのではなく,職場全体がどうなっているか,という目線でみていく必要がある.

 

Q: 第三者の相談窓口を紹介できるとあったが,個人で調べるのはむずかしい.ハラスメントで悩んで相談したい人達が,第三者,窓口に相談したくでもどこに相談したらいいかわからない.どこかでそれを知るすべを残していただきたい.
A: (座長より)今回の講演の内容をまとめて理事会で検討していただくことを,当委員会でも勧めていきたいと思っている.

 
最後に山極先生より以下のコメントをいただき,講演会が締めくくられた.
「今回このような調査を初めてなさったということで,WLB検討委員の方と何度か打ち合わせしました.先生方の視点がよくて,よくしていきたいという思いに溢れており,是非協力したいと思っておりました.そのなかで東間先生が中心になりながら,いろんなことを考えていて,そういう方々がいるということに本当に感激しました.会場にいる先生方も意識もアンテナも高く,いい職場になっていく可能性があるなと思いました.ですから諦めないで,必ず声を上げるということがすごく大事なんだなと思いますし,それを決定できる方に伝えるということも大事です.ご自分で悩むことないですね.自分ひとりで抱えないことが大事です.今日は遅い時間まで最後までお聞きいただきまして,ありがとうございました.いつでも応援しています.何かありましたらまたお声かけいただけばありがたいです.」

外部リンク

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