小児外科で治療する病気

腸重積症

腸重積症とは
腸重積症は,口側の腸管が肛門側の腸管に入り込むことによって腸が閉塞状態となる病気です(図1).典型的な腸重積症は小腸の終りの腸である回腸が大腸に入り込むために生じます.原因としては腸に分布しているリンパ組織が腫れて大きくなり,この部分から大腸に入っていくと考えられておりますが,時には小腸のできものがあることや,メッケル憩室という生まれつき腸管の一部が袋状に残った場合にはこれらの部分から腸重積がおきます.リンパ組織が大きくなる原因としては風邪などのウイルス感染が指摘されております.そのために約1/4の腸重積症の赤ちゃんに感冒症状を認めます.この病気は、治療が遅れると重積した部分の腸の血液の流れが悪くなって腸管が腐ったり、腐った腸から菌が全身に入り込んでしまうことがあり,早期に診断し治療する必要があります.

症状
腸重積症は3か月から2歳未満のお子さんによくみられる病気です。もともと元気なお子さんが急に腹痛を訴える(お腹が痛いと言えないお子さんは機嫌が悪くなる)、ようになります。腹痛(機嫌不良)はあったりなかったり(間欠的と言います)するのが特徴です。この他嘔吐もよくみられる症状です。さらに症状が進むとやがて顔色が悪くなったり,血が混ざったねっとりした便(イチゴゼリー状と言います)を認めるようになります.

診断
 お腹をよく触ると外からお腹の中にソーセージのようなかたまりを触ったり,超音波検査で腸重積を起こした部分を映し出したり,レントゲン検査で診断出来ます.

治療
 この病気にかかったと思われる時間から24時間以内であれば、8割は造影剤(レントゲンに写る物質)を肛門から注入して圧を加えることにより腸重積を元の状態(これを整復といいます)にすることが出来ます.また造影剤を用いる代わりに空気を肛門から注入し整復を試みている施設もあります.しかし,2割前後の赤ちゃんは圧をかけても整復ができないため手術により整復することになります。さらに腸の組織に血液が流れない状態が長いく続いた場合は腸を切り取らなければならないこともあります.
 腸重積の整復後にも絶食と入院を勧められます。これは腸重積を起こした腸管の回復と再発の予防のためです.再発は約10%に見られ、整復したすぐ後に起こることが多いとされています。一方、いったんよくなった後しばらくして、再び腸重積を起こす場合もありますので、病気が起きた時のお子さんの症状を覚えておきましょう.

図1 口側の腸管(右側)が肛門側(左側)の腸管に入り込み腸重積が発症する。

外部リンク