小児外科で治療する病気

停留精巣

陰嚢の中に精巣(睾丸)を触れないときは、停留精巣(ていりゅうせいそう)(停留睾丸ともいいます)の可能性があります。普段、陰嚢が空のようでもお風呂に入っている時、リラックスして座っている時などに精巣が陰嚢内に触れるような場合、移動性精巣と呼び、必ずしも手術適応ではありません。リラックスしているときでも陰嚢が空であれば停留精巣であり、手術が必要となります。移動性精巣と停留精巣の区別は難しいことも多く、小児外科医・小児泌尿器科医に相談して正しい治療方針をたててもらいましょう。

精巣はこどもさんがあかちゃんでまだお母さんのお腹にいる時、腎臓に近いところから次第に下降し、鼠径管という下腹部のきまった道を通って陰嚢の中に下降します。この精巣の下降が途中で停まったものが停留精巣です。陰嚢の中とそれ以外の場所、特にお腹の中では精巣が陰嚢の中にある場合に比べ、2-3度高い温度環境にさらされているといわれています。高い温度環境にある停留精巣では精子を作る細胞が少しづつ機能を失い数も減少してゆきます。この変化は温度が高ければ常に進行してゆくので、手術で精巣を陰嚢内に固定する必要があります。また、お腹の中にある停留精巣を放置しておくと、成人になってから癌化することもあるといわれています。

停留精巣の手術で大事なことはいつ手術するかということです。精巣の機能低下を防ぐためには早いうちに精巣を陰嚢内におろしてあげることが必要です。以前は5歳ぐらい迄に手術すべきであるといわれていましたが、それでは遅すぎることがわかってきました。今では遅くとも2歳迄に手術をするのが良いとされています。生後まもなくは精巣が自然に下降することもあるので、しばらくは経過を観察します。しかし、1歳の誕生日を過ぎても陰嚢が空っぽであれば、小児外科医に相談する必要があります。手術でなく男性ホルモンを使って精巣の下降を促す方法もありますが、副作用もあり日本ではあまり行われていません。

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