小児外科で治療する病気

胆石症

胆石症とは
身体で作られる消化液のうち胆汁は肝臓で作られ、細い管(胆管-たんかん-)を通って腸に流れ込みますが、この胆管の中に石ができる病気が胆石症です。胆石症は胆のう(胆管の途中にある一時的に胆汁をためておく袋)の中にできる胆嚢結石症と胆管の中にできる胆管結石症に分けられます(図1)。なお胆石症は成人では頻度の高い病気ですが小児ではまれです.

原因
小児における胆石症の原因としては、血液の病気(溶血性貧血,遺伝性球状赤血球症など、赤血球が壊れやすい病気)のほか、点滴による栄養投与を長期間受けている人、他の病気の治療のため利尿剤やある種の抗菌薬投与を受けている(受けた)人、先天性心疾患がある人などが言われています。はっきりした原因がわからない場合もありますが、成人では肥満と胆石症との関連が指摘されており、肥満の小児が増えている地域では胆石症が増加していると言われています。

症状
主な症状は腹痛,嘔吐,黄疸,発熱などで、このうち繰り返す右上腹部痛が最も多い症状と言われています.しかし特に小さなお子さんでは症状を的確に訴えられないことがあり、診断が遅れる傾向にあります。なお胆石があっても症状のない場合も少なくなく、他の病気の検査の過程で偶然見つかる場合もあります。

診断
胆石症が疑われる症状がある場合には腹部超音波検査、血液検査などが行われ、さらに詳しい検査として腹部CTやMRI検査が用いられます。腹部超音波検査は痛みがなく簡便なため、まず行われる検査です。胆嚢結石症では図2のように、胆嚢内に白い塊として結石を認めます。胆管結石の場合は胆管内に同じように白い塊を認めたり、胆汁の流れが悪くなるため胆管自体が膨らんで見えたりします。この場合はCTやMRIを行うとより詳しく状況が把握できます。血液検査のみで胆石症を診断することはできませんが、肝機能障害や黄疸など付随する状態を把握するのに有用です。なおCTやMRIは後述する手術治療を行う際に胆道系の全体像を把握するために必要となります。

治療
成人の胆石症治療にはガイドラインが策定されていますが小児のガイドラインはまだないため、小児の特異性を考慮しながら成人のガイドラインを参考に治療方法を考えることになります。胆石症のうち、胆嚢結石症では、これに関連する症状(痛み、発熱、黄疸など)がある場合は手術(胆嚢摘出術)が勧められます.以前はお腹を開けて胆嚢を切除する手術が行われましたが最近では腹腔鏡を用いて行う方法が普及しています。腹腔鏡による手術の方が術後の痛みが少なく回復が早いと言われています。一方胆嚢結石症で無症状の場合は経過を観ることが一般的です。また肥満が関与している場合は食事療法を行ったり、一部の結石には薬による溶解療法(胆石を溶かす治療)が有効な場合があります。いずれにしても定期的に医療機関を受診し、状態を確認するため検査を続けることが大切です。一方胆管結石症では胆汁の流れが妨げられますので、手術により石を取り除く治療が一般的です。

図1 (胆道閉鎖症ガイドラインの図を一部改変)

図2

外部リンク