小児外科で治療する病気

先天性食道狭窄症

先天性食道狭窄症は、生まれつき食道の中央部から下部のあたりに狭窄(狭い部分)を認めている病気です(図1)。発症頻度は、2.5万~5万人に1人とまれな病気です。この病気は原因により3つに分けて考えられています。
① 気管原基迷入型:食道壁に気管の軟骨が入り込んでいることが原因で内腔の狭窄が起こります。下部食道に多くみられます。先天性食道狭窄症の約半分を占めています。
② 筋性繊維肥厚型:食道壁を構成している筋肉が厚くなることで、内腔の狭窄が起こります。中部から下部食道に多くみられます。
③ 膜様狭窄型:食道の粘膜が内腔に膜を作り狭窄を起こします。中部食道に多くみられます。この病気の中では最も少ない病型です。

図1 先天性食道狭窄症

症状と検査
狭窄の程度や場所により、症状が認められる時期や症状の程度はさまざまです。
多くの場合は、ミルクだけを飲んでいるときは症状がありません。固形の食事を食べ出した離乳食の開始ごろに食べたものが狭い部分につかえて、飲み込んだときに苦しがったり食べたものや唾を吐いたりするなどの症状が多いです。
診断には、食道造影検査(造影剤を飲んで食道をレントゲンで写す検査)が必要です。普通は造影剤は食道内にとどまることなく胃の中へ流れていきますが、狭い部分があるとその部分に造影剤が貯まることで狭い場所や狭さの程度がわかります。消化管内視鏡検査(胃カメラ)を食道の中に入れて病気の場所や程度を調べることもあります。

治療
治療には消化管内視鏡(胃カメラ)を用いて風船で狭い部分を膨らませて治す治療(バルーン拡張術)が最初に行われることが多いです(図2)。内視鏡を狭い部分の手前まで挿入し、内視鏡で見ながらしぼんだ風船を狭窄部で膨らまし、狭い部分を拡げる治療方法です。筋繊維肥厚型や膜様狭窄型はバルーン拡張術で改善することが多いですが、気管原基迷入型はバルーン拡張術で改善しないこともあります。バルーン拡張術を何回か行っても改善しない場合は手術により治療します。
手術による治療には、厚くなった食道の壁を外側から部分的に切開し内腔を拡げる方法や狭い食道の部分を切除してつなぎ直す方法などがあります。手術の方法は、病気の原因や程度によって違ってきます。

図2 内視鏡(胃カメラ)を用いた食道バルーン拡張術

外部リンク