小児外科で治療する病気

先天性腎疾患

 最近では妊娠中の赤ちゃんの様子を,超音波検査によって詳しく知ることができるようになりました.特に腎臓は妊娠20週 以降になるとその形をよく見ることができるので,生まれる前に腎臓の異常がわかるようになってきました.異常を告げられるとご両親は大変心配されますが, 異常を早期に発見することは,生まれてから必要な治療の準備が早くからできるという利点があるので,前向きに治療に臨みましょう.
 妊娠中に超音波検査で発見される腎の形態異常は2種類あります.腎臓に水の貯まった袋ができる嚢胞と,尿の流れが妨げられて尿が貯まってしまう病気です.
 嚢胞ができる病気のうち,多発性異形成腎(multicystic dysplastic kidney)では尿をつくる機能はほとんどありません.反対側の腎臓が正常であれば,成長・発達に問題はありません.
 腎臓でつくられた尿は,尿管,膀胱,尿道へと流れていきます.何らかの原因によって尿の流れが妨げられると,妨げられたところから上流で尿が停滞し貯ってい きます.この貯まりが超音波で発見されやすいのです.超音波検査のほか,胎児MRI検査(図)も尿の流れ道全体をみるのにいい検査です.尿の停滞するとこ ろの多くは,腎臓と尿管との境目である腎盂尿管移行部,尿管と膀胱との境目である尿管膀胱移行部,それと尿道のはじまりの部分です.尿の流れが悪い状態を 長く放置すると,次第に腎機能が悪くなってしまうので,生まれてからさまざまな方法で腎機能の検査をしたあと,流れをよくする手術が必要となります.また 妊娠中に治療する疾患もあります.

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