概要
胎児の臍帯(へその緒)と腸は臍腸管(卵黄嚢管)で、臍帯と膀胱は尿膜管でつながっていて、通常臍腸管と尿膜管はいずれも胎児期に退縮して閉鎖します。出生後も臍腸管・尿膜管が消失せず残っているものを臍腸管遺残・尿膜管遺残といいます。
臍腸管遺残では、臍部に組織が残る臍ポリープ・臍洞(臍腸管洞),臍と腸管のつながりが管として残る臍腸瘻、ひも状に残る臍腸管索、臍腸管の一部が袋状に残る臍腸管嚢胞、腸管側に残るメッケル憩室などの病型があります。
尿膜管遺残は、臍と膀胱のつながりが管として残る膀胱臍瘻(尿膜管瘻)、臍側のみに残る臍洞(尿膜管洞)、尿膜管の一部が袋状に残る尿膜管嚢腫、膀胱側のみに残る膀胱憩室に分類されます。
症状
臍ポリープや臍腸管洞では繰り返す臍炎(臍が赤くなったり、じゅくじゅくする)や臍部の痛み、浸出液の排泄、臍部に赤い肉芽様組織の形成を認めます。臍腸瘻では生後より臍から腸液・便の排泄を認めたり、腸が翻転して脱出する場合があります。臍腸管索は索状物が腸閉塞の原因となることがあり、臍腸管嚢腫は腹部腫瘤として発見される場合が多く、メッケル憩室は下血や腸重積、腸閉塞、憩室炎などをおこすことがあります。
膀胱臍瘻(尿膜管瘻)では生後より臍からの透明な液(尿)の排泄がみられ、尿膜管洞は臍腸管洞と同様に繰り返す臍炎や臍からの浸出液の排泄を認めます。尿膜管嚢腫は感染を起こすと下腹部に痛みを生じます。高齢者では、尿膜管遺残に癌が発生することがあります。
診断
体表からの診察や、超音波検査、CT、MRI、臍部に瘻孔を伴う場合は瘻孔造影検査などにより診断します。下血がありメッケル憩室を疑う場合は、核医学検査を行うことがあります(メッケル憩室シンチ)。これらにより診断がつかず腹腔鏡による観察(手術)が必要となったり、手術中に偶然発見されることもあります。
治療
手術により遺残組織を切除します。感染を起こしている場合は抗菌薬投与、切開排膿等による治療後に手術を行います。方法は病型によって異なり、臍の病変であれば臍部からの摘出を行い、腹腔内、臍から離れた場所は下腹部切開や腹腔鏡による手術が必要となり、両者を併用することもあります。無症状の場合は、経過観察も選択肢となります。











