小児外科で治療する病気

漏斗胸

漏斗胸は前胸部の骨(胸骨)が陥凹することにより胸郭の変形がおこる疾患です。肋軟骨の過形成により胸骨が陥凹すると考えられています。
重症例では心臓や肺がおされて心電図異常や弁膜症を引き起こすことがありますが、ほとんどの例で症状はなく整容性の問題で受診される方が多いです。
外見で診断はできますが、検査としてCTやレントゲンで陥凹の程度を数値化する方法があります。
治療は、軽症例では水泳や体操などで胸筋を鍛えたり、陥凹部の陰圧吸引療法があります。陰圧吸引療法は専用の器具で1回60分程度、1日2回、2~3年継続し使用する方法で、自宅で行うことができます。重症例や精神的な問題が大きい場合は、外科的治療としてNuss法(金属のバーを胸骨の裏側に入れて胸骨を前に押し出す方法で、バーは体内に2〜3年ほど留置します。)が一般的となっています。その他に胸骨翻転法や胸骨挙上法などがあります。
 手術時期は3~15歳前後とされていますが、最近では成人にも行われています。胸骨の骨化速度、術後の運動制限、精神的問題などを十分考慮し手術時期を決める必要があります。

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