小児外科で治療する病気

尿道下裂

尿道下裂は、尿の出口が陰茎の先より根元側にある病気で、陰茎が下に向くことが多い先天的な尿道の奇形です。

尿の出口の位置によって、近位型(会陰、陰嚢に出口があるもの)と遠位型(陰茎、冠状溝、亀頭に出口があるもの)という分類や、図に示すような上部型、中部型、下部型に分類されます。

病気の原因は、尿道が発達する途中にあり、陰茎の腹側で尿道がうまくくっつかなかったことや、胎児の精巣が作り出すホルモンの異常、母親が妊娠中に受けたホルモンの影響、などが考えられています。

発生頻度は、欧米の文献では男子出生300人に1人程度と報告されていますが、近年では環境ホルモンの影響で増加しているのではないかといわれています。明らかな遺伝性は分かっていませんが、父親や兄弟での発生があります。

症状は、尿の出口が正常の位置と違っているために、排尿するときに尿が飛び散ることです。また程度が強い場合は、男の子でありながら立小便ができないことがあります。陰茎が曲がっていることが多く、腟内に射精ができないこともあります。

合併症として、近位型では停留精巣、矮小陰茎、前立腺小室、二分陰嚢などが多いとされています。また、性分化異常の可能性もあるので、染色体検査や精巣機能検査を行ったほうがよいとされています。

治療は手術です。手術は美容上はもちろんのこと、排尿および性生活が支障なく行えることが目標です。手術は1歳から2歳で行うのが一般的です。手術は、尿の出口を新しく作ることと、曲がった陰茎をできるだけまっすぐにすることです。手術は非常に難しく、現在200以上の術式が考えられています。この手術は非常に繊細なため、熟練した小児外科医が慎重かつ丁寧に手術を行う必要があります。術後の合併症としては、尿が漏れて皮膚と交通したり、尿道がせまくなったり、陰茎が屈曲したりすることがあります。

もともと男性ホルモンが少ないため、手術後の思春期以降に陰茎が短いという訴えもみられます。このような場合にはホルモン療法を行うこともあります。

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