小児外科で治療する病気

陰嚢水腫、Nuck水腫

 これらの病気は小児外科の日常診療でよく見かける疾患です.お母さんのお腹の中にいるときに腹膜が鞘状に飛び出したも の(腹膜鞘状突起)が引っ込まないで残った状態で,その鞘状突起に腸などが入ると鼠径ヘルニアになりますが(鼠径ヘルニアの項を参照),水が貯まると水腫 になります(図1).陰嚢に水がたまることを陰嚢水腫,鼠径部に水がたまることを精索水腫,女児の鼠径部に水がたまることをヌック水腫といいます.
診断は懐中電灯などの光が通過する(透光性)ことなどで判断しますが,超音波検査も有用です(図2).
 乳児(1歳未満)の場合は自然に治癒することが多いといわれています.以前は針を刺して水を抜く場合もありましたが,子どもに恐怖を抱かせるうえにすぐに再発することが多いので最近はあまり行いません.
 1歳を過ぎると自然治癒がしにくくなります.鼠径へルニアを合併していたり,痛みが強い場合や本人が腫れを気にするようなら手術が望ましいでしょう.
 手術は鼠径ヘルニアと同じ方法で,数日の入院(病院によっては日帰り入院)が必要です.

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